エンブレム問題で連絡をいただきました新聞社をはじめとするマスコミの方々は、ごく一部の方を除き、理性的に、誠実に対応して下さいました。しかし、昨晩やりとりをした産経新聞の女性記者の方法は、卑怯、卑劣、極まりないものでした。
法的には問題がないかもしれません。ないのでしょう。しかし法律を盾にとり、取材もせずに、憶測で記事を書くことが許されるのでしょうか。
私の文章のコピペ記事を堂々と書く新聞に、組織委員会のことを追求する資格はあるのでしょうか。
これからのエンブレム審査がよりよくなるようにと祈りながら、もてる勇気をふりしぼり、執筆に向かってきました。
組織委員会のみなさまの良心を信じながら執筆してきましたが、私の書く文章がこのような記事の素材になり、意味をねじ曲げられて広がるのであれば、執筆を諦めざるを得なくなります。
今後も私は取材をお受けいたしません。
どうか、私に考える時間を与えて下さい。
責任のとれる方法で、事実がねじまげられないように、一点のくもりもないように、デザインの未来を考えたいのです。
平野敬子
平野敬子 デザイナー/ビジョナー コミュニケーションデザイン研究所 所長
白紙撤回となった2020東京五輪エンブレムの審査委員を務める
白紙撤回となった2020東京五輪エンブレムの審査委員を務める