以下に、本日送付した質問と提案を記載いたします。
[JAGDAへの質問と提案](*9/30送付の平野意見書はグレー)(*JAGDA回答とJAGDA発言は青字)
—————————————————
公益社団法人
日本グラフィックデザイナー協会 殿
11月30日に質問状をお送りしており、返答をお待ちしている状況ですが、未だ回答が来ておりません。どうなっているのでしょうか。
それとは別に、「9月30日に提出したJAGDAへの意見書https://cdlab.jp/blog/?p=475に対するJAGDAからの回答(11月9日)」に対して、改めて18の質問と提案と要望をお送りします。
過去にも質問をお送りしていますが、答えが返ってくる質問と、無視され答えが返ってこない質問がありましたので、今回は18の質問全てにご回答下さい。
「意見書へのJAGDAの回答」に対する質問と提案
「意見書(9月30日送付)へのJAGDAの回答(11月9日受領)」への(平野)質問と提案(12月11日送付)
2016/9/30 (平野)意見書
(1)「見解」の位置づけに関し、8月12日の内部のメールでは総会での承認はないとされているが、7月28日のHP上の説明では、依然として「JAGDAの見解を・・発表」としたままであり、対外的には組織の見解だと位置づけたままである。承認がなく、組織見解でないことを認めるなら、HPの表記も速やかに訂正すべきである。→
→2016/11/9 (JAGDA)回答
本見解は、会長、副会長の三役が草案を作成し、理事、運営委員の持ち回りによる承認を得て発表したものなので、会としての「組織見解」です。
前述のとおり、本見解は、「単なる報告」ではなく「組織見解」です。→
→2016/12/11 (平野)質問
(質問1)「理事と運営委員が承認した文書」を、「JAGDAの見解」と明言し、あたかも「JAGDA見解であるかのよう」に公表し続けていることに対して抗議しています。なぜならば、「理事と運営委員が承認した文書」は「JAGDAの見解」とは定義できないと認識しているからです。事実確認のために「組織見解」とはどういう位置づけなのか質問しておりますが、未だに回答がありません。「組織見解」の位置づけが知りたいのです。教えて下さい。定款上「組織見解」とはどういう位置づけなのか。お答え下さい。
2016/9/30 (平野)意見書
(2)統一的な位置づけが確立されないうちは、位置づけがあいまいなまま、対外的に「見解」を公表するのは、速やかに中止すべきである。→
→2016/11/9 (JAGDA)回答
「位置づけ」があいまいであるとは考えておりません。→
→2016/12/11 (平野)質問
(質問2)『「位置づけ」があいまいであるとは考えておりません』ということは、つまり「理事と運営委員の見解」=「組織見解」=「JAGDAの見解」であると明言していることになりますが、定款上そのように規定されているのでしょうか。それとも「事務局がそう思っている」ということでしょうか。お答え下さい。「理事と運営委員の見解」=「組織見解」=「JAGDAの見解」であるとする根拠を示して下さい。
2016/9/30 (平野)意見書
(3)集約された意見は、今後どのように活用するのか。それを明らかにしなければ、意見を出す方も意見を述べにくい。単に参考として、お聞きしますというだけなのか。それなら期限を切る必要もない。期限を切って集約するのなら、何らかの形でまとめて提示されるのか。人から意見集めるなら、その目的と、それが今後どのように活用されるのか、そこを明確にすべきである。最低の礼儀というか、それがないと本気で意見を集めたいと思っているは考えられない。「共有」という曖昧な表現では何をするのか何も分からない。→
→2016/11/9 (JAGDA)回答
本見解の末尾に記載されているとおり、JAGDAは、今回の問題を、長い時間をかけて、歴史的な視野に立って咀嚼、検証していこうと考えており、集約された各位のご意見は、この視野にそって活用されるべきものです。「共有」とはそのような活用を意味しています。→
→2016/12/11 (平野)質問
(質問3)「集約された意見を今後どのように活用するのか。その目的と活用内容を明確にすべきである」との問いかけに対し、具体的な方針をお答えいただいていません。再度、同じ質問をします。集約された意見は、何らかの形でまとめて公表されるのか。それが今後どのように活用されるのか。具体的な方針を示して下さい。
(質問4)「長い時間をかけて」との「長い時間」は抽象的表現のため、どういう長さなのかわかりません。半年なのか、一年なのか、十年なのか。具体的にお答え下さい。
(質問5)「歴史的な視野に立って咀嚼、検証」における「歴史的な視野」とはどういう「視野」なのかわかりません。説明して下さい。
(質問6)「歴史的な視野に立って咀嚼、検証」とはどういう方法なのか。「検証」はいつ、誰が、どのような方法で行うのか。具体的な方針をお聞かせ下さい。
(質問7)「集約された各位のご意見は、この視野にそって活用されるべきものです。」と書かれていますが、どのように活用するのか。具体的なプランをお聞かせ下さい。
(質問8)『「共有」とはそのような活用を意味しています。』この説明では理解できません。再度、「共有」の方法を説明して下さい。
2016/9/30 (平野)意見書
(4)総会での承認事項になり得ないのに、総会であたかも承認の対象にしようとした、その原因の検証がなされるべきである。実は、手続き無視で承認しようと意図していたのか、それならそれを意図したのは誰なのか。手違いで承認のような形になったのか。しかし、総会当日、承認されないと明日から組織活動できないという、あり得ないことを言ってまで、質疑を打ち切り、承認させようとした点からすると、手違いとは思えない。意図的なものを感じる。検証して、責任を明確にすべきである。→
→2016/11/9 (JAGDA)回答
本見解の草案について全理事、運営委員の承認を確認できたのは、総会の前々日の夜のことであり、もともと総会決議にするつもりはありませんでした。しかし、問題の重要性に鑑みて、2015年事業報告の一部として、「組織見解」を報告することにしたものです。
本来この見解文の発表時に以下のような文言を入れることをお願いしておりました。「昨年度の事業報告の時間ですが、内容に関してはお手元の議案書を御覧ください。ここでは、この時間を利用して、エンブレム問題に関しての理事会、運営委員会で合意しました見解文を発表させていただきます」この文言が、事務局の進行の手違いにより省かれてしまい、出席者のみなさんにお伝えできませんでした。→
→2016/12/11(平野)質問
(質問9)総会出席者は、JAGDA会員3,049名の会員のうちの201名です。その中には理事と運営員44名も多数含まれます。「問題の重要性に鑑みて」と、重要案件として捉えているならば、まずは全会員に文書を送ることを優先してしかるべきではないかと思います。重要案件であるにもかかわらず、なぜ全会員3,049名に対して文書を送ることをせずに、総会出席者201名に対して発表することを最優先したのか。その理由をお答え下さい。
(質問10)総会まで会議を開く時間がなかった状況において、これほど重要な問題を「報告することにした」と判断を下したのは誰なのか。いつ、誰が、どのような方法で判断を下したのか。お答え下さい。
(質問11)「本来、この見解文の発表時に以下の文言を入れることをお願いしておりました。」と答えておられますが、誰にお願いしたのですか。
(質問12)「この文言が、事務局の進行の手違いにより省かれてしまい、出席者のみなさんにお伝えできませんでした。」と説明されましたが、では、「事務局の進行の手違いにより省かれてしまい」とはどういう手違いだったのか。具体的にお答え下さい。
(質問13)「問題の重要性に鑑みて」と答えておられますが、では、なぜ、それほど重要な問題に関する文書でありながら、審査委員をはじめとする五輪エンブレム問題の当事者たちに文書作成の協力を求めず、原研哉氏が草案を執筆するという方法で進められたのか。この成り立ちであれば「原研哉見解」で良いのではないのか。
審査委員は組織委員を兼任していた高崎卓馬氏以外、全員「秘密保持契約書」にサインしていないことは明白な事実であり、本人たちは認識しています。そしてJAGDAに対して平野は協力を申し出ていました。
協力を申し出ている審査委員に話を聞かず、原氏の執筆という著しく偏った方法論で文書が作成されたのはなぜなのか。お答え下さい。
(質問14)総会において最も重要な案件は「議案承認と議事議決」です。総会の冒頭に見解文書の公表を行う段取りを決めたのは誰なのか。お答え下さい。
(質問15)「もともと総会決議にするつもりはありませんでした」、「事業報告の一部として報告することにしたものです」とお答になりましたが、実際には、総会冒頭に原副会長が1時間半のうちの3分の1に相当する時間を対やして文書を朗読し、直後に「了解いただきたい」と発言し、その結果、会員は習慣に基づき拍手をしました。これは総会における議事承認のためのプロセスです。
「総会決議にするつもりはない」文書に対して、なぜ議事承認のためのプロセスを経て、総会決議の手順に匹敵する行動をとったのか。矛盾を説明いただきたい。
(質問16)見解文書に対して異議を申し立てた会員に対してJAGDA事務局長は、「今日、決議しなければ明日からこの組織が活動できません。ですから是非、議事きちんと決めてやっていただかないと‥‥」とこの文書のことを「議事」として明言し、「決議しなければ明日からこの組織が活動できない」と言い、反対する会員の質疑を打ち切りました。総会当日は、「議事」と明言した文書のことを、なぜ「事業報告の一部」と言い変えるのか。矛盾を説明いただきたい。
2016/9/30 (平野)意見書
(4)実は、手続き無視で承認しようと意図していたのか、それならそれを意図したのは誰なのか。手違いで承認のような形になったのか。しかし、総会当日、承認されないと明日から組織活動できないという、あり得ないことを言ってまで、質疑を打ち切り、承認させようとした点からすると、手違いとは思えない。意図的なものを感じる。検証して、責任を明確にすべきである。→
→2016/11/9 (JAGDA)回答
本見解に関しての質疑応答は、もともと予定されていないものでしたので、これに関する質疑が長引くと、議案書に掲載された昨年の事業報告その他の重要案件についての決議ができなくなる恐れがありました。事務局長の「承認されないと明日から組織活動できない」との発言は、本見解に関するものではなく、他の重要案件に関するものです。→
→2016/12/10(平野)質問
(質問17)「本見解に関しての質疑応答は、もともと予定されていないものでしたので」と回答されましたが、では、そもそも総会の場において、会員は質問する権利があるのか、無いのか。お答え下さい。
『事務局長の「承認されないと明日から組織活動ができない」との発言は、本見解に関するものではなく、他の重要案件に関するものです。』と回答されましたが、これは私の知り得た事実とは異なります。
2016/9/30 (平野)意見書
(5)誤った方向へ誘導した総会の議事運営方法は、あり得ない理由で質疑を打ち切られた質問者をはじめ、当日総会に出席していた全会員に対し、極めて非礼であり、謝罪をすべきであると思われる。会員にとって、総会で質問したり、議論したりするのは、当然の権利である。それが奪われたのである。会員の権利に関することであり、責任の所在を明らかにすべきではないか。→
→2016/11/9 (JAGDA)回答
以上のとおり、総会の議事運営についての「誤った方向へ誘導した」、「あり得ない理由で質疑を打ち切られた」、「(会員の)当然の権利…が奪われた」との批判が、事実に反し、当を得たものでないことは明らかであると思われます。→
→2016/12/11(平野)提案と要望
「批判が、事実に反し、当を得たものでないことは明らかであると思われる」と、総会における議事進行の正当性を主張されますが、私の知り得た事実とは大きく異なります。
2016年度JAGDA総会における、文書を巡るJAGDA副会長とJAGDA事務局長の一連の発言や行動は、文書の議事承認化のための行動であったと受け取るしか理解できないものでした。
そうであるにもかかわらず、「批判が、事実に反し、当を得たものでないことは明らかであると思われる」と主張されるのであれば、自らの正当性を証明するために確実な方法があります。JAGDA事務局が記録している総会の録音もしくは録画ビデオを公開し、総会でのやりとりを確認すれば、事実がどうであったのかが確認できます。必要な観点は、「運営側、事務局側がどう思ったか」ではなく、受け取る側がどう受け止めたかなのです。そのためには、客観的立場の人間である第三者が事実確認をする場を設けることで、総会の場におけるJAGDA運営側の行動がどう受け止められたのかを、公明正大にジャッジすることができます。
(提案と要望1)総会の録音もしくは録画ビデオを公の場で第三者とともに観覧する場を設けることをここに提案し、要望いたします。
[JAGDAへの質問と提案の一覧]
—————————————————
(質問1)「理事と運営委員が承認した文書」を、「JAGDAの見解」と明言し、あたかも「JAGDA見解であるかのよう」に公表し続けていることに対して抗議しています。なぜならば、「理事と運営委員が承認した文書」は「JAGDAの見解」とは定義できないと認識しているからです。事実確認のために「組織見解」とはどういう位置づけなのか質問しておりますが、未だに回答がありません。「組織見解」の位置づけが知りたいのです。教えて下さい。定款上「組織見解」とはどういう位置づけなのか。お答え下さい。
(質問2)『「位置づけ」があいまいであるとは考えておりません』ということは、つまり「理事と運営委員の見解」=「組織見解」=「JAGDAの見解」であると明言していることになりますが、定款上そのように規定されているのでしょうか。それとも「事務局がそう思っている」ということでしょうか。お答え下さい。「理事と運営委員の見解」=「組織見解」=「JAGDAの見解」であるとする根拠を示して下さい。
(質問3)「集約された意見を今後どのように活用するのか。その目的と活用内容を明確にすべきである」との問いかけに対し、具体的な方針をお答えいただいていません。再度、同じ質問をします。集約された意見は、何らかの形でまとめて公表されるのか。それが今後どのように活用されるのか。具体的な方針を示して下さい。
(質問4)「長い時間をかけて」との「長い時間」は抽象的表現のため、どういう長さなのかわかりません。半年なのか、一年なのか、十年なのか。具体的にお答え下さい。
(質問5)「歴史的な視野に立って咀嚼、検証」における「歴史的な視野」とはどういう「視野」なのかわかりません。説明して下さい。
(質問6)「歴史的な視野に立って咀嚼、検証」とはどういう方法なのか。「検証」はいつ、誰が、どのような方法で行うのか。具体的な方針をお聞かせ下さい。
(質問7)「集約された各位のご意見は、この視野にそって活用されるべきものです。」と書かれていますが、どのように活用するのか。具体的なプランをお聞かせ下さい。
(質問8)『「共有」とはそのような活用を意味しています。』この説明では理解できません。再度、「共有」の方法を説明して下さい。
(質問9)総会出席者は、JAGDA会員3,049名の会員のうちの201名です。その中には理事と運営員44名も多数含まれます。「問題の重要性に鑑みて」と、重要案件として捉えているならば、まずは全会員に文書を送ることを優先してしかるべきではないかと思います。重要案件であるにもかかわらず、なぜ全会員3,049名に対して文書を送ることをせずに、総会出席者201名に対して発表することを最優先したのか。その理由をお答え下さい。
(質問10)総会まで会議を開く時間がなかった状況において、これほど重要な問題を「報告することにした」と判断を下したのは誰なのか。いつ、誰が、どのような方法で判断を下したのか。お答え下さい。
(質問11)「本来、この見解文の発表時に以下の文言を入れることをお願いしておりました。」と答えておられますが、誰にお願いしたのですか。
(質問12)「この文言が、事務局の進行の手違いにより省かれてしまい、出席者のみなさんにお伝えできませんでした。」と説明されましたが、では、「事務局の進行の手違いにより省かれてしまい」とはどういう手違いだったのか。具体的にお答え下さい。
(質問13)「問題の重要性に鑑みて」と答えておられますが、では、なぜ、それほど重要な問題に関する文書でありながら、審査委員をはじめとする五輪エンブレム問題の当事者たちに文書作成の協力を求めず、原研哉氏が草案を執筆するという方法で進められたのか。この成り立ちであれば「原研哉見解」で良いのではないのか。
審査委員は組織委員を兼任していた高崎卓馬氏以外、全員「秘密保持契約書」にサインしていないことは明白な事実であり、本人たちは認識しています。そしてJAGDAに対して平野は協力を申し出ていました。
協力を申し出ている審査委員に話を聞かず、原氏の執筆という著しく偏った方法論で文書が作成されたのはなぜなのか。お答え下さい。
(質問14)総会において最も重要な案件は「議案承認と議事議決」です。総会の冒頭に見解文書の公表を行う段取りを決めたのは誰なのか。お答え下さい。
(質問15)「もともと総会決議にするつもりはありませんでした」、「事業報告の一部として報告することにしたものです」とお答になりましたが、実際には、総会冒頭に原副会長が1時間半のうちの3分の1に相当する時間を対やして文書を朗読し、直後に「了解いただきたい」と発言し、その結果、会員は習慣に基づき拍手をしました。これは総会における議事承認のためのプロセスです。
「総会決議にするつもりはない」文書に対して、なぜ議事承認のためのプロセスを経て、総会決議の手順に匹敵する行動をとったのか。矛盾を説明いただきたい。
(質問16)見解文書に対して異議を申し立てた会員に対してJAGDA事務局長は、「今日、決議しなければ明日からこの組織が活動できません。ですから是非、議事きちんと決めてやっていただかないと‥‥」とこの文書のことを「議事」として明言し、「決議しなければ明日からこの組織が活動できない」と言い、反対する会員の質疑を打ち切りました。総会当日は、「議事」と明言した文書のことを、なぜ「事業報告の一部」と言い変えるのか。矛盾を説明いただきたい。
(質問17)「本見解に関しての質疑応答は、もともと予定されていないものでしたので」と回答されましたが、では、そもそも総会の場において、会員は質問する権利があるのか、無いのか。お答え下さい。
(提案と要望1)総会の録音もしくは録画ビデオを公の場で第三者とともに観覧する場を設けることをここに提案し、要望いたします。
—————————————————
(質問18)すでに201名の会員が参加したという実績のある総会の録音もしくは録画ビデオを公開しない、情報公開できないというのであれば、その理由をお答え下さい。
平野敬子
2016年12月11日
2016年12月11日
—————————————————
平野敬子
平野敬子 デザイナー/ビジョナー コミュニケーションデザイン研究所 所長
白紙撤回となった2020東京五輪エンブレムの審査委員を務める
白紙撤回となった2020東京五輪エンブレムの審査委員を務める
お知らせ:11月1日発売の『建築ジャーナル』(11月号)の特集「五輪を嗤う」に寄稿しました。
http://www.kj-web.or.jp/