046 弁護士から届いた封書

2017年2月2日、JAGDA顧問弁護士から封書が届きました。

その中には、JAGDA代理人弁護士2名の署名捺印のある【「『要望書へのJAGDAの回答』に対する更なる質問と提案」に対するJAGDA事務局の見解】というタイトルの書面が入っており、

今回のご質問については、すでに詳しく回答済みであり、さらに回答する必要があるものとは認められません。

と書いてありました。(*青字はJAGDA回答)

さらには、

また、「JAGDA見解」が総会の決議事項ではないことは、全会員に周知済み(2016年8月12日、JAGDA代表Eメールにより配信。件名「【JAGDA】エンブレム見解文について」)のため、今回のご提案に即した新たな対応を行う必要はないと考えております。

と書いてありました。

総会の録音や録画ビデオを鑑賞する場を設けて、公の場で対話を持ちたいという要望に対するJAGDAの回答は、「新たな対応を行う必要はない」すなわち対話の場は持たない、総会の録画ビデオは公表しない、「必要はない」と通知してきたのです。

この書面では、会員の要望に対応しない理由を『「JAGDA見解」は決議事項ではない』と説明していますが、実際には、総会の議案として「JAGDA見解」が提出され、決議されたという厳然たる事実があります。決議事項ではないと言うのであれば、ではなぜ決議事項には成り得ない案件を議案として提出し、議決承認したのか。その矛盾を繰り返し指摘してきましたが、それに対する説明はいっさいなく、最終的には「回答する必要があるものとは認められません。」と通達してきました。

再度、2016年度JAGDA総会の発言の記録を確認したところ、

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議長- はい、ありがとうございました。えー、じゃ、議事を進めさせていただきます。今の話も含めまして、第1号議案、その後、各委員会から報告もございまして、それを含めての一括の決議となりますので、ぜひ進めさせていただきたいと思います。(2016年JAGDA総会の記録より)

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議長の発言である「今の話も含めまして」の「今の話」とは「JAGDA見解文書」のことであり、「JAGDA見解文書」を第1議案と言い、「それを含めての一括の決議となります」と明言し、決議し、議決承認され、総会が終了したことが記録されています。

このJAGDA総会での詐欺的議決承認の事実が当ブログで記録され、公になって以降に、JAGDAは会員に「JAGDA見解文書」への意見書の提出を募りました。しかし会員から提出された意見書の質問にはいっさい答えず、理事会や運営委員会でも討議されず、最終的には法律家の代理人を立てて「回答する必要があるものとは認められません。」と、威圧的な文言を代理人弁護士の署名捺印入りの文書で通知するというJAGDAの態度が示されました。

奇しくもJAGDA顧問弁護士から封書が届いた6日後にメール配信で【JAGDA News】が届き、亀倉雄策賞、JAGDA賞、JAGDA新人賞の発表、JAGDA学生グランプリ、展覧会やイベントといった様々な活動の報告が送られてきました。このような活発な活動の裏では、意見をのべる会員に対して、弁護士を立てて封じ込めるという陰湿なことが行われています。

平野敬子

平野敬子 デザイナー/ビジョナー コミュニケーションデザイン研究所 所長
白紙撤回となった2020東京五輪エンブレムの審査委員を務める

お知らせ:2016年11月1日発売の『建築ジャーナル』(11月号)の特集「五輪を嗤う」に寄稿しました。
http://www.kj-web.or.jp/